路上のでんせつ シックス

暗闇の中の深夜帯、通報されてもおかしくない一瞬も目を離せない静寂の中、男たちは、静かに闘っていた
太鼓、以外の皆は、全員未成年であった。
太鼓は、成人して数年がたつ立派な大人であった
ポリが、来たら間違いなく、責任者として、連れていかれるであろう
太鼓は、覚悟した、それでもいいと、間違いなくこれは、伝説の闘いである
誰にも邪魔させないと決意した

思考回路を遮断された、小池は自然と同化していた
空気、風、温度、アスファルトの感触、木々が揺れている、小池の頭に閃光が走る、右腕をあげると人差し指と中指の間に親指をいれて、力一杯に握り込んだ、
ここにいる皆が忘れていた、ナベチャンだ、
合図をうけ、切れた電線を瞬時に繋ぎ、離すを繰り返す
ストロボだ
これは、明らかな不正行為であり
格闘技で、言うならば金的に値する
この瞬間、太鼓から小池陣営に、イエローカード
しかし大事なのは、結果だ
KO勝ちしかないという状態に見ずからを、追い込む
こいつは、やはりとてつもない絵を書く、そのセンスに純粋に俺は嫉妬した

ストロボの中、小池は、好きなアイドルグループのセンターの単独パートを、全身を使い表現し始めた
小池と同時に、ナベチャンが、口ずさむ
はなのなひっ~♪
焦点をずらす、ジミー

小池は、加速する

サクラをみっあげっターン♪

あきらかに、ジミーは、いなしきれていない
小さく震えるジミー

おいっ!小池いけるぞ!俺も思わず口を出す
小池は、まさしく満開のヒーローだっ!!!

単独パートのピークになり、表現の連打が、ジミーに、着実そして、確実にダメージを与えていく
ジミーの身体が大きく揺れた、広角が少し上がったのを確認し
すかさず太鼓が、ここで、ジミーにスタンディングダウンを取る

いけるぞ、小池!!いけいけいけぇーっ!!
俺の胸がとてつもなく暑くなる
これは、もう勝ち確だっ!
俺はそう確信していた!